雑記

@Miria_410myの観劇覚え書き

AiiAで字幕眼鏡を使ってみた


と言うわけで使ってみました字幕眼鏡!

技術的な興味と、舞台台詞の翻訳への興味があったので気がすむまでリピートすることに。
結果、3/27夜(S席)、3/28夜(A席)、3/29昼(A席)の3公演で使用しました。言語は3回とも英語です。思いの外面白かったので多分凱旋公演でも借ります。



正式名称は「他言語字幕システム Zimaku Air (PERSONAL MULTILINGAL SUBTITLES SYSTEM)」

このシステムを使用しているようです。(サイトを見る限り、会場内に字幕用無線を飛ばして個別端末で受信するという方法らしい)

EPSON製なので、本体のモデルは異なるもののこれに近そう


◆貸出について


貸出料金は一回1000円。
高価なヘッドフォンを入れるような固めのケースに入っていて、ケースごと貸し出されます。借りる際にチケット券面を見せ、当日の座席番号を提示する必要があります。(ケースは眼鏡を折り畳まない状態で仕舞える大きさで、中にも眼鏡の形にクッションがついていて、本体は高いんだろうなーと下世話なことを考えました。ケース自体大きいので観劇中邪魔です。)

貸出窓口には基本的にお二人のスタッフさんがいらっしゃいますが、使用したい言語を伝えるとセットアップと動作確認をして下さって、使い方を説明してくれます。もちろん外国の方へは英語で。(他言語を喋るスタッフさんがいるかは聞き忘れました)(日本人が貸出を希望しても全く問題なく貸してくれます)

観劇後も不具合がなかったか?楽しめたか?などと聞いて下さり、外国の方へも「字幕はどうだった?ショーは良かった?素敵な夜を〜」など声をかける気遣いが見えました。3/27の時点では毎日少なくとも6〜7台は貸出があるということでした。
 


◆装用感


手で持った時はそれほど重いと感じず、折り畳み時の厚さも思ったより薄いという感想でした。
着用時に鼻に当たる部分(ブリッジ)と耳にかける部分(ツルのカーブの部分)がシリコンゴムでできていて、ある程度の顔の大きさや鼻の高さなどに対応できるようになっています。
また、耳にかける部分は前後可動式なのでツルの長さの調節が可能です。眼鏡をかけている人でもその上から使用できます。

左こめかみにあたる部分からケーブルがのび、手元のコントローラーに繋がっていますがそれほど邪魔ではありません。

きちんとサイズを調整すれば、2時間半のお芝居を観ている間には特に問題も不快感もなく、鼻にブリッジの跡がつくこともありませんでした。
(3日続けて使用したところ2日目の半ばから鼻の骨が痛くなりましたが、制作側も連日の使用は想定していない気がします…)



◆使用感


実際の見え方としては、舞台の手前に半透明の白地の紗幕がかかっていてそこに字幕が映るといった感じです。
字幕の位置は上段・中段・下段の中から付属のコントローラーで選択が可能です。(観劇中に変更もできます)席にもよりますが、概ね演者の頭上・腰あたり・足の下という位置です。
それぞれの位置で文字の大きさも小・中・大と選べるので字幕位置と文字大を組み合わせて9段階を自分の好みで選べることになります。

観劇中に芝居が見にくいということは特になく、舞台上部や横に映す字幕システムで首振り扇風機のように視線を動かすことを考えればものすごく良い装置だと思いました。

欠点をあげるとすれば、文字が白いので舞台照明が明るいと見えづらいことと、鼻が痛くなって眼鏡の位置をずらすとピントが合わなくなるのか文字がかなり薄く見えることです。全体的に明るい照明や舞台装置の際は色付き字幕もいいかもしれません。

舞台NARUTOでは、暗転をした中での照明効果使った演出や、映像投影の演出が多用されています。白い紗幕の向こうにこういった演出が見えることになるので、裸眼での観劇時とは全く違って見えました。正直暗転のシーン(影分身、九尾のチャクラなど)では演出への感動が半減するなというのが私の感想です。



◆発展


このシステムはAiiA 2.5 Theaterの常設設備ということで、AiiA外に持ち出されることは今の所ないそうです。ナルステでも東京公演の次は凱旋公演まで使えないようです。(残念…)

システムに登録できる言語は最大4ヶ国語で、現在は英語、中国語、フランス語の3ヶ国語から選べます。NARUTO公演中に韓国語字幕も加わるそうです。

NARUTO公演終了後も、他のAiiAでの舞台演目で導入予定だそうです。(全てではなく、2.5次元ミュージカル協会の英語版HPで随時導入する演目が追加されていくそうです)


◆翻訳について


中学卒業程度の英語力があれば問題なく理解できます。(母国語が字幕の選択肢にない国からきたお子さんがある程度理解できるレベルという設定なのかな?と感じました)  字幕の切り替わり速度はそれほど速くないですが、独白をしながらのアクションシーン(特にサスケと我愛羅の戦闘シーン)などではある程度の速読が必要でした。

スタッフさんは「映画とは違って(意訳ではなく?)台詞をそのまま伝えることに拘った」翻訳だと仰っていました。確かにそのままのテンポやニュアンスを保ってる部分が多かったです。
意訳の部分も、短い文章にぎゅっと凝縮された表現になっていて、伝えたいメッセージがダイレクトに言葉になっている感じがとても面白かったです。


一つ一つの忍術をどう訳しているのか、独特の用語をどう説明するかを見るだけでも十分楽しめると思います。何より、他言語で台詞を読むことによって日本語では曖昧な主語や目的語が明示され、キャラクターや台詞の新たな解釈ができるので、考察厨の方にはとてもオススメのツールです!

あと普通に、うぉおおこんな技術の結集みたいなツールを使える舞台に推しが出てるぞー!みたいな部分で気分も昂まるし、推しが喋ると英訳される!っていうのも結構楽しいです。

NARUTOには日替わり要素がないので、リピーターの方が新たな視点でお芝居を楽しむ為に使用するのも良いのかな?と思いました。(今後導入される舞台で日替わりがあった場合、その部分の字幕対応についても気になりますね)


以上暇だったので字幕眼鏡で遊んでみたレポでした。実際の英語表現についてはネタバレになるので別記事にします。